2023年10月25日神戸市立太田中学校にて「中学生だからできるプロジェクト」を開催しました。
今回は初めて神戸市の助成事業に採択していただき実施することができました。
当イベントを行うに当たってご支援・ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
また当日お越しいただいた、日本ケアフィット共育機構の喜山様、神戸新聞社の小野坂様、日本郵政グループ労働組合の遠山様、株式会社キャリアリンクの今村様と出納様(順不同)にも感謝申し上げます。
今回の「中学生だからできるプロジェクト」(以下中プロ)は車いす体験学習と障害者差別解消法についてのワークショップの二本立てで行いました。
【車いす体験学習】
イベントの冒頭でまずは太田中学校の2年生136名に対して車いす利用者である三木谷様より講演をしていただきました。実際に車いすを利用している方からのお話はリアリティがあり、中学生は熱心に聞き入っていました。
講演の後は実際に車いすの体験をしていきます。今回は太田中学校周辺約1.5kmのコースをグループごとに回ります。各グループにはインストラクターとして大学生が1名ずつ付き添い、中学生に指導していきました。
初めて車いすに乗る中学生も多く、普段何気なく通っている道でも車いすでは通りにくい道もたくさんあることに気づくことができました。また年齢の近い大学生から指導してもらうことで、楽しみながら学ぶことができました。
最初の三木谷様の講演で聞いた話を身をもって体験したため、より深い学びになったのではないかと思います。
【障害者差別解消法についてのワークショップ】
来年4月より改正障害者差別解消法が施行されます。このワークショップは障害者差別解消法の改正を機に障がい者への理解を深めることを目的に実施しました。弊社の取締役を務める伊澤に加え4名の大学生・大学院生で進めました。ワークショップの前半は伊澤の方から障害者差別解消法についての講演を実施しました。講演は一方通行の講義ではなく対話形式で進められ、途中でクイズや考えを発表する場などが設けられました。積極的に手を挙げる中学生も多く、賑やかに講演が進みました。障害者差別解消法では「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」を規制しています。難しい言葉や概念を含んでいましたが、中学生は熱心メモを取りながら障害者差別解消法について学んでいました。
講演の後はグループワークに取組みました。各グループには飲食店の模式図が配られました。この飲食店に車いす利用者が来店したとき、「どのような困難に直面することが予想されるか、またどう対応すればその困難を解消できるか」というテーマについてグループで考えました。お店の経営者側の視点から合理的配慮として何をするべきかについて考えることで、実践的な議論を展開することができました。
各グループとも意見が活発に飛び交い、講演で学んだ知識をアウトプットする機会になりました。また周囲にはサポート役の大学生も巡回しており、グループワークを通して出た疑問に答えていきました。インプットとアウトプットを両立することで、密度の濃い学びの機会になったのではないかと思います。
ワークショップの最後ではグループごとに意見を発表しました。どのグループもしっかり考えることができており、自分たちのグループにはなかった答えを聞くことで新しい学びもありました。そして各グループの発表に対して日本ケアフィット共育機構の喜山様と(一財)SDGs普及協会の三木谷様から講評をいただきました。
中学生が障害者差別解消法について学ぶというのは全国初の事例ではないかと思います。
事業者以外には関係ない法律だと思われがちですが、太田中学校の生徒の皆様もいつかは職に就きます。その時今回学んだことが生かされることを願っております。
最後に、今回の「中学生だからできるプロジェクト」は大成功に終わりました。当イベントに携わっていただいた大学生17名と先生方、関係各所の皆様がワンチームとなることができたからだと実感しております。
【スタッフとして活動した大学生(計17名)】
障がいのある方もそうでない方も安心して暮らせる共生社会を実現するのは私たち全員です。当プロジェクトがそのような社会の実現に向けて少しでも貢献していれば何よりです。