車椅子ルートマップの普及活動で、中学生に社会貢献の場を提供したい !
ー関西から全国へ!中学生の地域参画と福祉の通過儀礼ー
「中学生だからできる!プロジェクト」とは
まずはじめに…
車椅子ルートマップというものをご存じでしょうか?
車椅子では通れない、段差や急な坂などの道を省略し、通りやすい道やエレベーターのある場所を写真付きで表示するというものです。
現在、東京メトロ180駅全駅、そして神戸市140駅全駅のマップが作られています。
ただしこのマップ、車椅子ルートマップポスターに掲載されている、専用のQRコードから読み取ってはじめて表示されるもので、多くの人にこのマップを利用してもらうためには、ポスターを広めていく必要があります。
車椅子やベビーカーなどを利用する方が、少しでも楽に移動できるよう支えたい。
そのために私たちは、車椅子ルートマップを駅周辺のお店に掲示していただき、認知度アップとアクセスポイントの増加に取り組んでいます。
プロジェクト概要
「中学生だからできる!プロジェクト」とは、中学生が主役となって地域にバリアフリーインフラの整備を行い、その活動を通じて地域を結び、一体感を創り出す事業。
プロジェクトは、「車椅子体験」と、「ルートマップ普及」の二つから構成されています。
中学生たちが実際に車いす利用者の立場が体験できるフィールドワークをするところから、その体験で得た学びや想いをオリジナルポスターにして、地域のお店や企業様に中学生ら自らの手で届ける活動まで行う流れです。
【車椅子体験】
まずはじめに、車いす利用者の方や関係者から車椅子の操作方法や注意点の説明はもちろん、「障害者差別解消法」「合理的配慮」にまつわる知識的なお話も含めたレクチャーをしっかりと受けます。
(※合理的配慮とは…各自が自分ができる範囲での支援を困っている人に合わせて積極的に行うこと)
そのあと、実際に中学生たちは車椅子に乗ってフィールドワークを進めていきます。
地域に出るにあたり、車椅子に乗る側と押す側の役割を交代で行っていきます。
普段自分たちが見ている景色と見え方が変わるということや、いつもは感じない小さな段差への不安や狭い道での危険性など、自分とは違った状況に置かれている車椅子利用者の気持ちを、身をもって体験します。
教わったから頭では分かってるんだけどなぁ…というありがちな状況を防ぎ、頭でも体でも理解を深めることができます。
中学生からは、車いす利用者が日常的に感じている不安などを認識し、合理的配慮を自分のこととして考えるきっかけになったという声も。
【ルートマップ普及】
フィールドワークの次は、中学生たちによるポスターの普及活動をしていきます。
その際、中学生2~3人程度と、大学生が同行する少人数のチームに分かれて行動します。
(年齢が近い大学生が同行するので、中学生たちの緊張もほぐれることでしょう!)
←車椅子ルート マップポスター (三宮駅周辺) |
まずは自分たちが実際に車椅子体験をしてみて学んだこと、気づいたことなども含めた車椅子ルートマップを地域に届けるため、オリジナルのポスターを作っていきます。(デザインは使いまわしをする場合もございます)
実際にお店に掲示してもらえるとしたらどこか、どうすれば見てもらえるかについて中学生同士で話し合いを重ね、試行錯誤の結果出来上がったポスターをもって、中学生たちは地元周辺のお店や企業を一軒ずつ巡り、飛び込みでポスターの掲示をお願いしにいきます。
この普及活動までを行うことが、気付きを得るだけで終わるのではなく、周囲の人を巻き込むアクションにつながっているのがポイントです!
車いす利用者のみならず、高齢者らも安心して移動できる環境整備を目指し、ポスターの掲示場所を増やすため、ひたむきに頑張る中学生たちの姿が見られました。
最初は緊張でなかなか踏み出せないでいた生徒も、勇気を振り絞り地域の方々にポスター掲示のお話のお願いを行うと、だんだん自然に力強いコミュニケーションをとれるようになる成長の現場を目の当たりにしました。
中学生からは、「段差だけでなく、左右に傾いている道など今まで意識していなかった不便な場所に気づけた」「苦手意識のあったコミュニケーションは、やってみたら案外できた」「障害のある人と無い人では世界観が大きく異なると気付いた」などの感想がありました。
普通に生活しているとなかなか気づけない、障がいのある方たちの不便さや不安などの気持ちはもちろん、やったことのないことへ挑戦する思い切りの精神やコミュニケーションなど、多くの学びがあったようです。
担当の先生方からも、「生徒たちのいつも見せない、違う側面が見れた。」「教員も学ばせていただいた。」というような感想を教えて下さいました。
地域のバリアフリーインフラ整備を通じて生まれる無限の可能性
「中学生」という、まだ社会に出ていない立場だからこそ、このプロジェクトを通して学べることがたくさんあると弊社は考えています。
というのもこのプロジェクトには、大きく分けて4つの活動意義があります。
一つ目は、地域の方々とふれあう機会ができることです。
どんな中学校であれ、地域に支えられて成り立っているものですが、生徒たちがそれを実感する機会は非常に少ないのではないでしょうか。
しかし、この活動で地域のお店を訪れた多くの生徒が、人のあたたかさに触れられてよかったと話してくれます。
二つ目は、防犯・防災にもつながる地域理解の促進です。
建物や道、公共施設や公園など、物的な町の構成を改めて知ることは、いざという時にこの町でどう行動すればよいかを考える一助となります。
また、今までは素通りしていた場所にもお店があった、と驚く声もあります。
ポスター配布において、できるだけ多くの場所を”攻略”するために地図や街をよく眺め、そして自分の足で歩いてこそ、気付くものがあります。
三つ目は、コミュニケーションの度胸がつくことです。
中学生が日常生活で接する大人はごく限られていて、家族や学校・塾の先生くらいなものだと思います。
加えて、防犯上「知らない人とは話さないようにしましょう」と教わってきた世代であり、初対面の人とのコミュニケーションに抵抗を感じる中学生は多いのではないでしょうか。
この授業に参加してくれた生徒さんも、初めはそう言って躊躇していました。
しかし、一時間程度ですっかり慣れてしまい、スタッフが振り回される程アクティブにあちこちを巡ってくれました。
「やってみたら、案外できた。」
この言葉を聞くたびに、私たちは喜びと中学生の可能性を感じます。
四つ目は、障害を持つ人も含めた、まちの多様性の体感です。
人の立場に立つということは、口では簡単に言えますが、実際にするのは本当に難しいものです。
しかし、一度でも自分の体で恐怖や困難を経験した人ならば、今まではなんでもないと思っていた世界が、誰かにとっては大変であると気付くことができます。
今後、町で車椅子の人を見かけた時どう行動するか。
車椅子ユーザー以外であっても、マイノリティの人にどう接するか。
単発のイベントなのではなく、これから出会うすべてのシーンがこの授業の「復習」になり得るのです。
関西から全国へー現代を生きる中学生へー
ときに、
「SNSやゲームにしか興味が無い」
「昔の子よりコミュニケーションが苦手」
などと言われる、現代の中学生たち。
しかし私たちは、これまでこのプロジェクトを開催した2つの中学校で、生徒たちの無限の可能性に出会いました。
神戸市立・渚中学校と、私立・灘中学校での活動を通じて培った”奇跡の授業”を、全国レベルに広げたい。
私たちは、より多くの中学生に社会貢献の場を提供することを目指します。
少しでも興味を持ってくださったら、是非一度お気軽にお問い合わせください!
CSK株式会社は、今後も弊社がもつ学生の活力や行動力という強みを活かし、この活動を全国へ広め、中学生の通過儀礼としてこの「中学生だからできる!プロジェクト」を実施していきます。そうすることで、「強く、健康な地域を創る」という理想に一気に詰め寄っていきます!
このプロジェクトは、地域の方々はもちろん、開催する中学校周辺の企業さまや自治体さまのご協力によってはじめて、安全に開催することができるものです。
私たちの思い、そして活動に共感いただければ、ご支援を賜れますと幸いです。
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